レーザーおよびその応用技術の特定の研究分野,特に萌芽的な研究テーマ,急速な進展をみせている技術,システム的な検討を必要とする学際的な課題等に関して,専門家による集中的な検討を加え,その発展を促進することを目的としています.

技術専門委員会

2026年度技術専門委員会の活動

光音響イメージング

2024年4月~2027年3月 主査:椎名毅(芝浦工業大)
光音響イメージング技術は,レーザー照射で励起された超音波を受信することで,非侵襲で高速に,微細血管や酸素飽和度などの機能情報,脂肪の検出など,生体の構造や機能を可視化できる新たな生体イメージング技術として期待されている.本専門委員会では,基礎研究から臨床応用に至るまで幅広いテーマについて,大学や企業のレーザー工学,バイオイメージング,生物医学研究者等との間での情報交換を通じて,新たな知見や問題解決の指針を得,光音響イメージング技術の進歩と新たな応用への発展に貢献することを目的とする.

光無線給電

2024年4月~2027年3月 主査:宮本智之(東京科学大)
現在,通信の無線化の進展に対し,給電配線が機器の配置や可搬性,移動体の長時間運用の制約となっている.既存の無線給電方式もあるが,サイズ,給電距離,高周波ノイズの観点から適用範囲は限定的である.近年,レーザーおよび受光技術ならびに周辺技術の進展により,光無線給電はこれら課題を解決しうる方式として注目されている.本専門委員会では,機器の無線給電化を実現する光無線給電について,要素技術,応用技術,応用システムに関する現状,課題および将来動向を調査し,本分野の発展に向けた方策の明確化を目的とする.

ロボットフォトニクス

2024年4月~2027年3月 主査:村井健介(産総研)
ロボットにはその目となるLiDARやビジョンだけでなく,検査,表示,通信,加工など幅広く光技術が導入されつつある.ロボット技術とフォトニクス技術は近年目覚ましい発展を見せているが,学術的にも産業的にも融合が進みつつある.両技術を融合したロボットフォトニクス産業はイノベーションを起こす可能性を秘めており,本専門委員会での活動を通して,ロボットフォトニクス分野を先導し,ロボットフォトニクス産業の発展や共創人材の育成に貢献する.

スマートパワーレーザー

2025年4月~2027年3月 主査:余語覚文(大阪大)
米国の大型パワーレーザー施設では,既にレーザーシステムへのロボティックスの導入や自動修復を含めたサステイナブルなシステムが導入されている.我が国はこれを凌駕する新たなパワーレーザーシステムとして,情報科学とレーザー工学を融合したサイバーフィジカルパワーレーザーシステムの構築を目指す.有識者,利用者が議論することで,要素技術や応用技術の現状および課題,更には,現在想定されていない新たな応用等についても検討する.

社会実装に向けた次世代レーザー表層加工技術

2026年4月~2028年3月 主査:塚本雅裕(大阪大)
レーザ表層加工技術に携わる研究者ならびに実務担当者から構成され,研究者と応用分野のユーザーとの対話を通じて,レーザ表層加工技術の社会実装を推進することを目的に活動する.一般社団法人スマートプロセス学会や溶接学会・溶接協会などの関連団体と連携し,シンポジウムの開催や,研究会「次世代レーザー加工」ならびに各種セミナーを実施することで,企業等を含めたコミュニティの形成を図る.

小型集積レーザー

2024年4月~2027年3月 主査:平等拓範(理研)
大型装置の小型,集積化はイノベーションの要である.物質・材料の性質をマイクロメータ(光の波長)オーダーで制御し,固体レーザーや非線形光学波長変換などの光学特性を強調,さらに新たな機能発現を目指したマイクロ固体フォトニクスの議論を深化させる.特に,微細な秩序制御(高度な物質制御)を施した物質の集積によるジャイアント光(高輝度光・高輝度温度光)の発生・制御が望めるジャイアントマイクロフォトニクス(Giant Micro-photonics)による小型集積レーザーの可能性や期待される応用につき展開を図る.

次世代ファイバレーザー技術

2024年4月~2027年3月 主査:西澤典彦(名古屋大)  ロードマップ参考資料
ファイバーレーザーは実用的なレーザーであり,年々その重要性が高まっており,更なる展開が期待されている.この委員会では,ファイバ-レーザー技術の将来を見据え,次世代のファイバーレーザーに関する基礎技術・先端技術・応用技術を議論する.また,先のファイバレーザー技術専門委員会で作成したファイバレーザー技術に関するロードマップを定期的に見直し,更新する.これらの活動を通し,コミュニティの拡大・成熟と分野の発展を図る.

自然に学ぶレーザーカオスと量子ダイナミクス

2024年4月~2027年3月 主査:桒島史欣(追手門学院大)
本専門委員会では,自然に学ぶレーザーカオスと量子ダイナミックスの新しい研究展開および応用の可能性について,自由な議論の場を設ける.また,他分野,特に自然現象との融合により,新たな応用,物理現象探求の深化を目指す.具体的には以下の3つを目標に掲げる.
①レーザーカオスおよびカオスそのものを組合わせた新たな工学的応用の探索
②新たな光学デバイスにおける不安定ダイナミクスの解明と制御
③レーザーにおけるカオスと量子ダイナミックス現象の学術的知見の蓄積

中赤外レーザー

2026年4月~2029年3月 主査:時田茂樹(京都大)
近年,波長およそ 2~10 μm の高出力中赤外レーザー光源の技術開発が活発に進められている.フッ化物結晶,セスキオキサイド結晶,カルコゲナイド結晶といった低フォノン光学材料を用いた固体レーザー,フッ化物ガラスファイバーレーザー,量子カスケードレーザー,高平均出力光パラメトリック増幅など,多様な中赤外レーザー光源が提案されている.また,これらの光源を用いた分光計測やレーザー加工などの応用技術も急速に発展している.本委員会は,中赤外レーザーおよびその応用技術のさらなる発展を目指し,新たな研究コミュニティの形成を図るものである.

可視光レーザー応用

2024年4月~2027年3月 主査:山本和久(大阪大)
これまで可視光レーザー応用はレーザー照明,ディスプレイが中心であったが,スマート農業(害虫駆除,植物工場),LiDARなど新たな応用が出始めている.この分野をレーザー学会に確実に取り込むため,他学会に先行し専門委員会を設置,推進することで大きく発展させたい.急速に進展するGaN系半導体レーザーを中心とした可視光レーザーの要素技術,応用技術の現状および課題,新たな応用について調査を行う.また新たな応用拡大に向けた課題を分析,その対策について検討する.

バイオメディカルオプティクス

2024年4月~2027年3月 主査:松浦祐司(東北大)
光学技術やレーザーを生物・医学分野へ応用する生体医用光学(バイオメディカルオプティクス)分野について,光工学と医学・生物学の研究者および技術者が交流しながら分野横断的なディスカッションを行うための機会を提供し,本分野に関わる重要な技術や装置,およびその基礎となる理論やメカニズムに関し,最先端の研究動向の把握,課題の抽出および検討を行う.

レーザーフュージョンエネルギー

2024年5月~2027年3月 主査:重森啓介(大阪大)
レーザーフュージョンは,無限に近いクリーンなエネルギー源として期待されているが,現在,多くの技術的課題が存在している.この重要な時期に,専門委員会を設置し,国内外の最新研究動向を追跡しつつ,国内の研究開発を加速させることで,世界に先駆けた技術革新を実現し,将来のエネルギー問題解決に貢献することを目的とする.

光コンピューティング

2024年10月~2027年3月 主査:内田淳史(埼玉大)
光を用いた深層学習や光リザーバーコンピューティングなど,新たな光コンピューティング技術に関する研究が近年盛んに行われている.本委員会では,最新の研究成果に関する講演会を企画し,光コンピューティングの研究活動を推進することを目的とする.さらに,光コンピューティングに興味を持つ様々な分野の研究者間の意見交換の場を提供して共同研究を推進し,本研究分野の活性化に努める.

kW級ハンドヘルドレーザーの安全

2026年4月~2029年3月 主査:藤田雅之(レーザー総研)
kW級レーザーの屋外・開放空間での利用の安全性を確保するために,使用者を対象とした(建設現場を意識した)ユーザーズガイドをレーザー学会・土木学会・建築学会で協力して策定することを目指す.各界の専門家と協力して国際標準に準拠したレーザー利用の安全対策を検討すると共に,現場でのリスクアセスメントや漏れ光を定量的に評価する技術,パワーレーザーの終端方法,適切な漏れ光の遮へい方法・材料の具体的かつ現実的な提案を検討する.

※本件に関するお問い合わせはレーザー学会事務局(lsj-admin@lsj.or.jp)までお願いします。

一般社団法人レーザー学会事務局

〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-6
TEL:06-6878-3070 
FAX:06-6878-3088