2020年度 第12回レーザー学会産業賞

 

2020年度 第12回レーザー学会産業賞が,下記のとおり決定しましたので受賞理由と共にお知らせいたします.

レーザー学会産業賞の概要
レーザーに関する製品・技術の開発,実用化,普及などにおいて,国内のレーザー関連産業の発展に貢献しうる優秀なものに対し,本会賛助会員に産業賞を授与する.
レーザー関連の産業技術として技術および市場実績を重視した『優秀賞』,市場の開拓および将来性を重視した『奨励賞』,および優れた基礎的技術または長年の累積的貢献を重視した『貢献賞』を贈呈する.

今回は全体的に応募申請内容の質が高く,甲乙つけがたいものが多かったことから,過去最高件数となる9件(各賞3件づつ)を選考した。

I.優秀賞 [敬称省略]
「高出力マルチチップレーザーダイオードパッケージOctoLas®」
日亜化学工業株式会社
技術力,販売実績,将来性など申し分がない.2009年度に「青色レーザーダイオード」として一度受賞しているが,その後高出力化,発光領域小型化により,従来の3~4倍の高輝度化を達成した技術力は非常に高い。さらに、長期信頼性を実現するチップ、パッケージを備え,プロジェクター用レーザー光源として9割という極めて高い世界シェアを得るに至っている.この圧倒的シェアが示すように,本製品は我が国が誇るレーザー技術として高く評価できる.今後,プロジェクター用光源のランプからの置き換えの加速やレーザーディスプレイのさらなる拡大のみならず,車載ヘッドライトや、レーザー加工、レーザー照明などへの展開も想定され,将来性にも大いに期待が持てる.

「ファイバ結合型高輝度青色ダイレクトダイオードレーザ BLUE IMPACTTM」
株式会社島津製作所
本件は2014年度以降にNEDOプロジェクトにて産学連携のもと開発された新たなレーザーに関する応募である.独自のビーム結合技術により青色レーザーで世界最高クラスのパワー密度を達成している.同様の製品は海外にもあるが、それに比べても高い輝度を実現しており,その技術力は非常に高い.本製品を使用することで銅の精密加工が可能となることもあり,高い販売実績を有している.今後,銅の需要が伸び市場の拡大が期待されるとともに,銅の3次元積層加工やプロジェクター光源としての展開なども期待でき,産業用途での将来性も高く評価できる.

「高出力半導体レーザー製品ラインナップ」
浜松ホトニクス株式会社
高出力半導体レーザーでは初の応募である.唯一の国産高出力半導体レーザーメーカーとして,長年にわたり業界をけん引する性能と信頼性の製品を出し続けており,材料加工から計測分析,医療,基礎科学にわたり幅広い応用分野において利用されており,その技術力並びに販売実績は高く評価できる.今後も加工用光源,固体レーザー励起用光源としての市場拡大が見込まれており,その将来性も高い.

 

II.奨励賞 [敬称省略]
「波長可変半導体レーザー(λ-Master)」
スペクトラ・クエスト・ラボ株式会社
本製品には,曲り導波路構造の高出力・広帯域ゲインチップ,転置Littman 構造による高スペクトル純度化,ゲインチップの屈折率分散補正によるモードホップの抑制,精密アクチュエータによる超高精度波長制御,およびエタロンによる精密波長モニター及び波長ロック機構という複数の独自開発の技術が盛り込まれており,技術力は非常に高く評価できる。大学発の製品として,先端分光計測への応用だけでなく,医療・産業等の様々な分野への展開も期待され,将来性も高い.

「次世代型レーザビーム溶接機(LBW)(スパッタ抑制技術搭載モデル)」
多田電機株式会社、三菱電機株式会社
レーザー溶接の長年の課題であった溶融金属(スパッタ)飛散量の抑制を独自の集光光学系のみで達成しており,その技術力は高く評価できる.本技術は集光光学系の最適化のみにより効果を実現しており,従来の固体レーザー溶接機との組み合わせも可能となることから,その適用範囲は大変大きく,またレーザー溶接機市場の拡大も見込まれ,将来性は大いに期待できる.

「レーザープロジェクター用赤色高出力レーザーダイオード(HL63520HD)」
ウシオ電機株式会社
世界最高光出力および電力変換効率を達成した技術力は非常に高く,世界トップ2の赤色半導体レーザーメーカーの製品として実績がある.大型プロジェクター,レーザーTV等用に市場成長が見込まれるとともに,潜在市場の大きな車載ヘッドアップディスプレイやAR/VR向けヘッドアップディスプレイへの展開も期待でき,将来性も高い.

 

III.貢献賞 [敬称省略]
「光産業技術専門メディアとしての学術界・産業界発展への貢献」
株式会社オプトロニクス社
長年に渡り,国内唯一の光産業技術専門メディアとして,雑誌・書籍・セミナー・国際会議・展示会等に積極的に取り組んでおり,我が国の光・レーザー産業と学術への貢献度は極めて高い.

「光半導体素子用パッケージの市場投入とセラミック材料技術の応用展開による光通信技術及び光通信産業への貢献」
京セラ株式会社
光通信デバイスのビジネスをパッケージ面から支える極めて素晴らしい技術,製品である.累積1000億円以上の販売実績は申し分ない.1980年代から長年にわたり製品を投入し,販売を継続しており,光通信産業への貢献は大変大きい.

「容易なビーム操作性・整形性を有する半導体レーザー加工機の量産適用と,その加工工法普及への貢献」
レーザーライン株式会社
ドイツ・レーザーライン社の製品を取り扱ってはいるものの,単なる商社として販売するだけではなく,ソリューション提案やサービスも担当することで,国内ユーザーに対し広くレーザー技術,レーザー関連製品の普及を図っており,レーザー産業界へ多大なる貢献を果たしてきた.

 

以上