平成31年度 第11回レーザー学会産業賞

 

平成31年度 第11回レーザー学会産業賞が,下記のとおり決定しましたので授賞理由と共にお知らせいたします.

レーザー学会産業賞の概要
レーザーに関する製品・技術の開発,実用化,普及などにおいて,国内のレーザー関連産業の発展に貢献しうる優秀なものに対し,本会賛助会員に産業賞を授与する.
レーザー関連の産業技術として技術および市場実績を重視した『優秀賞』,市場の開拓および将来性を重視した『奨励賞』,および優れた基礎的技術または長年の累積的貢献を重視した『貢献賞』を贈呈する.

 

I.優秀賞 [敬称省略]
「3次元眼底像撮影装置 DRI OCT Triton」
株式会社トプコン
Swept Source方式を世界で初めて搭載し,波長1μmを利用することで深層に届く優れたOCTを実現した.医療用として実用化され,米国FDAの認可をとり,グローバル標準となっている.海外勢が優勢なOCT市場でシェア30%の実績を持ち,眼底診断に大きな貢献を果たした.高齢化社会に向けてOCTは成長市場であり,さらなる事業拡大も期待できる.

「ArF Immersion リソグラフィ用レーザ GT6XAシリーズ」
ギガフォトン株式会社
2009年度に本賞を受賞後,省エネルギー技術やガスの浄化再生利用を可能にするガス制御技術などにより,製品の完成度を一層高め,世界トップのシェア52%を得るに至った.この高いシェアは我が国のレーザー技術の高さを示すものである.

「TNGAエンジンの高速燃焼を実現するレーザークラッドバルブシートの量産実用化」
トヨタ自動車株式会社
レーザー加工によりエンジン性能の大幅向上を図った.世界に先駆けてレーザークラッド加工技術の開発・適用により,自動車エンジンの熱効率40%かつ比出力60kW/Lの向上を実現,量産実用化した.また,工法の標準化によりグローバル展開を進めている.レーザーによる材料合成は,アディティブマニュファクチャリングの今後を占う上でも重要な技術と位置付けられる.

 

II.奨励賞 [敬称省略]
「車軸の検知が可能なETCシステム向けレーザ式車両検知器」
三菱電機株式会社
社会インフラである新世代のETCシステムにおいて新方式三次元レーザーセンサーを実用化し,産業,社会に貢献している.特に,広視野に対応するための長尺検出器の使用や,学習アルゴリズムの導入による全天候での検知確率の向上に新規性と独自性がある.非接触で車軸数の計測ができるなど,非常に完成度の高い技術である.今後の国際展開のポテンシャルも有している.

「超短パルス1064nm DFBシードレーザQLD106G-6410シリーズ」
株式会社QDレーザ
独自の結晶成長技術とレーザー設計により,1μm帯のDFBレーザーでパルス幅15psを実現した.ファイバレーザー用の種光源として用いることで,10ピコ以下の発生が可能になり,制御性の高いピコ秒加工が容易になった.競争の激しい加工分野における純国産ピコ秒レーザーを実現した.

「520nm 130mW出力Single Mode緑色半導体レーザー  GH0521DA2G/GH0521DA5G」
シャープ福山レーザー株式会社
長波長化の困難な緑色半導体レーザーにおいて,単一モード,520nmで130mWの業界最高出力を実現,製品化した.また,これにより,レーザーディスプレイ用RGB半導体レーザーを1社で提供できる体制を構築し,レーザーディスプレイ製品の高品位化と開発効率向上に貢献した.

 

III.貢献賞 [敬称省略]
「最新レーザー技術導入とその応用提案による国内の科学技術および産業への貢献」
コヒレント・ジャパン株式会社
海外の最先端光・レーザー製品の輸入およびその応用提案により,光産業・学術分野の発展に寄与し,しいては我が国のメーカーのレーザーおよび光関連技術開発の促進に貢献してきた.